和歌のあそび訳

マイブームの『百人一首』をいまどきな感じで訳してみました。 〈作者の談〉は歌の作者のコメント的な、解説を含んだフィクションです。 人格設定は妄想。

百人一首 4.田子の浦に

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4 田子の浦に 打ち出でて見れば 白妙の
   富士の高嶺に 雪は降りつつ (山部赤人

  たごのうらに うちいでてみれば しろたえの
   ふじのたかねに ゆきはふりつつ (やまべのあかひと)

 

田子の浦いいね! ここから富士山が見える! ほら見てよ! 山のてっぺんに雪降ってるよ!

 

〈作者の談〉
 出張で地方に行くことがあるんだけどさ、やっぱ楽しみと言えばその土地のご飯と酒、あとは景色だよね。僕はわりと景色に感動して歌にすることが多いんだよね。
 で、田子の浦の景色にも感動したね。だってさ、海がバーッと広がってて、向こうに富士山がドーンだよ? 都じゃこんな絵になる風景ってなかなかないよ。富士山、初めて見たわけじゃないけどさ、やっぱいつ見てもテンション上がっちゃうよね。つい拝みたくなるっていう人がいるんだけど、わかる気がする。うん。
 どの季節の富士山もいいとは思うんだけど、僕は冬が一番かなー。だってさ、山の上が雪で白くなってる姿、サイコーにきれいでしょ。降ってるのは見えないんだけど、降ってるよって言いたくなるくらい真っ白。もうこの世のものとは思えない美しさ。さすが霊峰、神々しいお姿です。あの完璧なプロポーションはそこらのお姉ちゃんより何倍もきれいだよ。いや、ウソ。行きつけの茶店のおきよちゃんはかわいい。おきよちゃんと見たいなぁ。