百人一首 2.春過ぎて
2 春過ぎて 夏来にけらし 白妙の
衣干すてふ 天の香具山 (持統天皇)
はるすぎて なつきにけらし しろたえの
ころもほすちょう あまのかぐやま (じとうてんのう)
段々あったかくなって、春だわねぇ、なんてのんきにしてたら、いつの間にか春終わったのね。世の中はもう夏かぁ。香具山の緑があんなに濃くなってるわ。真っ白な夏服が干されてコントラストがきれいねぇ。
〈作者の談〉
つい何日か前だったのよ、花見をしたのは。桜、きれいね、ってお酒飲みながら盛り上がったわ。月が出てたときは夜桜鑑賞会までしたのよ。花びらがちらちら降っててそりゃあもう何とも言えないくらいきれいだったわ。ついついお酒もすすんじゃうわよね。だから二日酔いになったのは桜のせいなのよ。あんなにきれいなんだから仕方ないわよね。
御殿の一角から遠くの桜だって見えるのよ。香具山の桜よ。神社があるみたいなんだけど、そのへんかな、桜が固まって咲いてるの。いいわねぇ。あんなに花に囲まれてたら、きっと毎晩酒盛りじゃない? じゃなかった、間違えた。きっと眺めが素晴らしいでしょうね。
でも今日見たらいつのまにか山が青々としてたの。びっくりしたわよ、もう。まぁ、あたしもいつだったか夏服に衣替えしたんだけどね。香具山の神社でも衣替えしたみたいで、白い夏服が干してあったの。山の緑に夏服の白が映えて、それはそれで夏らしい爽やかな景色よ。風にひらひらとそよぐ夏服が・・・多分夏服よ・・・夏服よね? まさか下着、とか・・・? えぇ・・・誰のよ? ちょっと、がっかりなんですけど。