和歌のあそび訳

マイブームの『百人一首』をいまどきな感じで訳してみました。 〈作者の談〉は歌の作者のコメント的な、解説を含んだフィクションです。 人格設定は妄想。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

百人一首 7.天の原

7 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも (阿倍仲麻呂) あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも (あべのなかまろ) この広い広い空に見えるあの月。昔、春日大社にお参りに行ったとき、三笠山の上にも出…

百人一首 6.かささぎの

6 かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける(中納言家持/大伴家持) かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よるぞふけにける (ちゅうなごんやかもち/おおとものやかもち) 七夕の日にかささぎがずらーっとつながって…

百人一首 5.奥山に

5 奥山に もみぢ踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき (猿丸太夫) おくやまに もみじふみわけ なくしかの こえきくときぞ あきはかなしき (さるまるだゆう) 紅葉の落ち葉の中を歩きながら雄鹿が雌を探すんだって。そのときの鳴き声がメッチャ悲しそ…

百人一首 4.田子の浦に

4 田子の浦に 打ち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ (山部赤人) たごのうらに うちいでてみれば しろたえの ふじのたかねに ゆきはふりつつ (やまべのあかひと) 田子の浦いいね! ここから富士山が見える! ほら見てよ! 山のてっぺんに…

百人一首 3.あしびきの

3 あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝む (柿本人麻呂) あしびきの やまどりのおの しだりおの ながながしよを ひとりかもねん (かきのもとのひとまろ) 山鳥のしっぽってすっごく長いだろ? 秋の夜だってすっごく長いんだよ。そ…

百人一首 2.春過ぎて

2 春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山 (持統天皇) はるすぎて なつきにけらし しろたえの ころもほすちょう あまのかぐやま (じとうてんのう) 段々あったかくなって、春だわねぇ、なんてのんきにしてたら、いつの間にか春終わったのね…

百人一首 1.秋の田の

1 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ (天智天皇) あきのたの かりほのいおの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ (てんじてんのう) 秋の収穫時期にね、田んぼのそばにあるぼろっちい小屋で夜通しケモノの見張り番をす…