和歌のあそび訳

マイブームの『百人一首』をいまどきな感じで訳してみました。 〈作者の談〉は歌の作者のコメント的な、解説を含んだフィクションです。 人格設定は妄想。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

百人一首 11.わたの原

11 わたの原 八十島かけて こぎ出でぬと 人には告げよ あまの釣舟 (参議篁/小野篁) わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね (さんぎたかむら/おののたかむら) メッチャ広い海の、メッチャたくさんある島に向かって、いざ…

百人一首 10.これやこの

10 これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関 (蝉丸) これやこの いくもかえるも わかれては しるもしらぬも おうさかのせき (せみまる) おおっ! これかぁ! 地方へ行く人もいれば都に帰る人もいる。ここで見送ったり出迎えたりするん…

百人一首 9.花の色は

9 花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に (小野小町) はなのいろは うつりにけりな いたずらに わがみよにふる ながめせしまに (おののこまち) あーあ。あんなにきれいだった桜の花も、雨続きで台無しになっちゃったわ。あ…

百人一首 8.わが庵は

8 わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世をうぢ山と 人はいふなり (喜撰法師) わがいおは みやこのたつみ しかぞすむ よをうじやまと ひとはいうなり (きせんほうし) わたしの庵は都から東南方向に離れているのですが、こんなにも自由気ままにシングルライ…